チキン南蛮の歴史

チキン南蛮のルーツは洋食屋「ロンドン」

おぐら、直ちゃんという2大名店の生みの親
延岡発祥のグルメとして知られるチキン南蛮。タルタルソースをかけた一般的なチキン南蛮と、こだわりの甘酢ダレだけで味わうシンプルなチキン南蛮の2系統があるのが、発祥のまちならではの特徴です。
そのルーツは昭和30~40年代に延岡市祇園町にあった洋食屋「ロンドン」(当初は翁という店名だった)にある。ロンドンは、祇園町の表通りから東側に少し入った路地裏の博労町、新町との境付近、現在は「理容ハシクラ」(お茶の翠峯園南隣)がある場所にありました。

ロンドンがあった祇園町の路地裏

栄町の「直ちゃん」の先代・後藤直さんは、このロンドンで昼間に修行しながら、夜は自分の店を切り盛りしていたそうで、ロンドンのまかない料理をヒントに試行錯誤を重ねて生み出したのが、甘酢ダレだけで味わう現在の形のチキン南蛮でした。

一方、タルタルソースをかけるチキン南蛮を全国に広めた「おぐら」チェーンの創始者・甲斐義光さんは、延岡市出身です。宮崎市内で食堂を開いていたものの軌道に乗らず、活路を求めて延岡にいた兄・照幸さんを通じて洋食料理に欠かせないデミグラスソースの作り方を学んだのが、このロンドン(当時は翁)だった、といいます。義光さんはロンドン直伝のデミグラスソースを武器に、ハンバーグ、ステーキなどを出す洋食店「おぐら」を創業、人気店になっていきました。おぐらのチェーン店の中に「ロンドン」、「翁」といった名前の店があったのも、創業時の恩義を忘れない義光さんならではのこだわりだったのかもしれません。
チキン南蛮にタルタルソースを掛けるのを思いついたのは照幸さん。照幸さんは直ちゃんの後藤直さんとも親交があったそうです。どちらが元祖かという論議は別にしても、チキン南蛮は紛れもなく延岡の土壌が育んだご当地グルメといえるでしょう。